【太陽光パネルの基礎講座|第37回】
太陽光発電の発電量が落ちた?
1. はじめに
太陽光発電を運用していると、
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「最近、発電量が少ない気がする」
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「去年より売電量が減っている」
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「設備は壊れていないのに発電が落ちた」
と感じることがあります。
太陽光発電は長期間安定して稼働する設備ですが、
さまざまな要因によって発電量が低下することがあります。
第37回では、
発電量が落ちたと感じたときに確認したい
主な原因とチェックポイントを解説します。
2. まず確認すべき「季節要因」
発電量は一年を通して一定ではありません。
主な理由は以下の通りです。
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日照時間の違い
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太陽の高さ
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天候の変化
一般的に、日本では
| 季節 | 発電量の傾向 |
|---|---|
| 春 | 発電量が多い |
| 夏 | 気温上昇でやや低下 |
| 秋 | 安定して高い |
| 冬 | 日照時間が短く低下 |
まずは
前年同月と比較することが重要です。
3. パネルの汚れ
太陽光パネルの発電低下の原因として
最も多いのが 汚れです。
代表的な汚れ
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砂ぼこり
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花粉
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鳥のフン
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排気ガス
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工業粉塵
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塩害
これらは光の透過を妨げ、
3〜20%程度の発電低下につながることもあります。
4. 影(シャドー)の発生
太陽光パネルは影に弱い設備です。
次のような要因で影ができることがあります。
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樹木の成長
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新しい建物
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電柱・アンテナ
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落ち葉やゴミ
一部のパネルに影がかかるだけでも、
ストリング全体の発電量が低下する場合があります。
5. パネルの劣化
太陽光パネルは長期間使用すると
少しずつ発電効率が低下します。
一般的な劣化率は
年間 約0.5%程度
とされています。
ただし、
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マイクロクラック
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ホットスポット
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表面劣化
などが発生すると
想定より早く性能低下するケースもあります。
6. パワーコンディショナ(PCS)の不調
PCSは太陽光発電の「心臓部」です。
次のような症状がある場合は注意が必要です。
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エラー表示
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再起動を繰り返す
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発電停止が発生する
PCSは
10〜15年程度で更新が必要になることが多い設備です。
7. ケーブル・接続トラブル
意外と見落とされがちなのが
配線トラブルです。
原因としては
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ケーブル劣化
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接続不良
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動物によるかじり
などがあります。
これらは
点検しないと気づきにくい問題です。
8. 発電量を確認する方法
発電量低下の原因を見つけるには
次のデータを確認するのが有効です。
✔ 前年同月の発電量
✔ 日射量との比較
✔ 同規模設備との比較
✔ PCSの発電ログ
これらを確認することで
自然要因か設備問題かを判断できます。
9. 定期点検の重要性
発電量低下を防ぐためには、
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定期点検
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パネル洗浄
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発電量モニタリング
といった O&M(運用・保守) が重要になります。
早期発見ができれば
大きな発電損失を防ぐことができます。
10. まとめ
太陽光発電の発電量低下には、
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季節要因
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パネル汚れ
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影の発生
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パネル劣化
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PCSトラブル
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配線問題
など、さまざまな原因があります。
発電量が落ちたと感じた場合は、
原因を一つずつ確認することが重要です。
適切な点検とメンテナンスを行うことで、
太陽光発電設備を長く安定して運用することができます。